訪問看護のオンコール実態【現役10年が経験をリアルに解説】

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「訪問看護ってオンコールが大変そう…」

転職を考えている看護師さんから、よく聞く不安のひとつです。

わかります。病棟でも夜勤はしんどいのに、自宅にいながら呼ばれるって想像するだけで気が重い。

この記事では、訪問看護歴10年以上の現役看護師カヲルが、オンコールのリアルな実態をお伝えします。「頻度は?」「手当は?」「実際しんどい?」という疑問に、体験談をもとに正直に答えます。

そもそも訪問看護のオンコールとは

訪問看護のオンコールとは、勤務時間外(夜間・休日)に利用者さんや家族から連絡が入った場合に対応する当番制度のことです。

電話相談だけで解決することも多いですが、状態によっては実際に訪問(出動)することもあります。

オンコール当番の日は、専用の携帯電話を持ち歩き、いつでも対応できる状態で待機します。

オンコールの頻度・当番回数はどのくらい?

ステーションによって大きく異なりますが、私の経験をお伝えします。

私が経験したステーションの場合

  • 当番回数:月8回程度
  • 実際に電話が鳴る回数:月3回程度
  • 終末期の利用者さんがいるとき:2日に1回程度鳴ることも

月8回というと多く感じるかもしれませんが、実際に出動するのはさらに少ないです。電話相談のみで解決するケースがほとんどでした。

実際にどんな内容で呼ばれる?

実際に受けた連絡の内容はこんな感じです。

電話相談のみで対応できるケース

  • 「熱が出てきた、どうしたらいい?」などの状態に関する相談
  • 精神疾患の利用者さんから、不安で話を聞いてほしいと電話がかかってくるケース
  • 体調変化の報告(バイタルサインの確認など)

実際に出動が必要なケース

  • 呼吸が浅くなった・声をかけても反応がなくなってきた(意識レベルの低下)(終末期)→そのままエンゼルケアになることも
  • ベッドから転落して自力で起き上がれない→訪問して介助
  • 夜間の急変対応

印象に残っているのは、体格の大きな男性利用者さんがベッドから転落したとき。女性スタッフが先に訪問したものの起こすことができず、応援要請で深夜に自分が出動したことがあります。男性看護師ならではの対応が求められる場面でした。

また、終末期の利用者さんを担当しているとき、呼吸が浅くなったという連絡を受けて訪問し、そのままご臨終に立ち会い、エンゼルケアを行ったこともあります。

オンコール手当の相場

手当はステーションによって差があります。一般的な相場はこちらです。

種類相場
待機手当(当番1回あたり)1,000〜3,000円
出動手当(実際に訪問した場合)2,000〜5,000円
深夜加算(22時〜5時)通常の1.25〜1.5倍

月8回当番で全回待機手当2,000円とすると、待機だけで月16,000円のプラスになります。出動した分はさらに加算されるので、オンコールを積極的に引き受けることで収入アップにつながります。

転職の際は、待機手当と出動手当の両方を必ず確認しておきましょう。

オンコールのしんどいリアル

正直に言います。オンコールはやっぱり大変です。

精神的に一番きつかったこと

終末期の利用者さんがいるときが一番しんどかったです。

「いつ鳴るかわからない」という緊張感が常にある。オンコール携帯をお風呂に入るときも近くに置いていて、シャワーを浴びながら空耳で着信が聞こえるような気がしたこともありました。ICU勤務時代に、帰宅しても心電図モニターのアラーム音が空耳で聞こえ続けた感覚と少し似ています。緊張状態が体に染みついてしまうんですよね。

体力的に一番きつかったこと

深夜・早朝に出動した翌日、そのまま通常勤務があるときです。

睡眠が取れないまま出勤するのはやっぱりしんどい。事務所で仮眠を取らせてもらったこともありました。ただ、うちのステーションは早めの早退など配慮してくれるサポート体制があったので、本当に助かりました。

もうひとつ意外と大変なのが、深夜の着信音で一緒に寝ている家族まで目が覚めてしまうこと。自分だけの問題じゃなく、パートナーや子どもにも影響が出てしまうのは申し訳ない気持ちになります。家族の理解とサポートがあると、オンコール当番がだいぶ楽になります。

転職先を選ぶとき、オンコール明けのサポート体制を確認することは超重要です。

それでもオンコールにやりがいを感じる理由

しんどいことばかり書きましたが、正直、オンコールにはやりがいもあるんです。

夜中に対応して「助かりました」「来てくれてよかった」と言ってもらえると、本当に充実感があります。病院の病棟とは違う、その人の生活に直接入り込んでいる感覚がある。

終末期の利用者さんのご臨終に立ち会うことも、つらい経験ではあるけれど、最期まで寄り添えたという実感があります。訪問看護師として大切な経験になりました。

ステーション選びでオンコール負担は変わる

オンコールの大変さはステーションによって全然違います。転職前に必ず確認しておきましょう。

  • 月の当番回数(月何回?)
  • 24時間加算の契約利用者数(多いほど鳴りやすい)
  • スタッフ数(多いほど当番が分散される)
  • 待機手当・出動手当の金額
  • オンコール明けのサポート体制(早退・仮眠室など)
  • 終末期利用者の割合(多いほど呼ばれやすい)

職場見学や面接でこのあたりをしっかり聞いておくだけで、転職後のギャップをかなり減らせます。

まとめ

訪問看護のオンコール実態をまとめます。

  • 当番回数の目安は月4〜10回、実際に鳴るのは月数回程度
  • 内容は電話相談〜出動・エンゼルケアまで幅広い
  • 終末期の利用者さんがいるときは精神的な緊張感が続く
  • 手当は待機1,000〜3,000円、出動2,000〜5,000円が相場
  • オンコール明けのサポート体制があるかどうかで働きやすさが大きく変わる
  • 「助かった」と言われる充実感はやっぱりある

オンコールを理由に訪問看護への転職をためらっている方も多いですが、ステーション選びさえ間違えなければ、病棟の夜勤よりずっと体への負担は少ないです。

気弱な私でも10年続けられているので、ぜひ一歩踏み出してみてください🌿

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